APRC Rally China チャイナラリー 総括No3

お知らせ

2009年11月20日

沢山の方々が僕のブログを見ていただいて恐縮するばかりです。

初めての海外ラリーの参戦で
悪夢のSS2であえなくコースアウトとなってしまいました。
正直、余りにも大きな石だったのでその石に当たると
ラジエーターにインタークーラーにタービンまでもが駄目になりそうな
ダメージが起こり、当たるか?!避けるか?!の選択しかありませんでした。

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その詳細は・・・・
SS2でのコースアウトは僕の全走車が走った時に石垣にヒットし、
その後の僕の走行の時に石垣から崩れ落ちた石が
余りにも大きかった為に思わず避けてしまいました。

崩れた石垣です。

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その少しの前のコーナーでも石がありましたが、
その時はこれなら大丈夫と思って石を踏んだ瞬間に
結構な鈍い音がしてヤバイと思いました。

自分の中での葛藤としては思い通りのセッティングになってないし、
尚且つ石を踏んでメカニカルなトラブルになっても不本意な結果に終わるので
セットアップがキッチリ出来るまでは我慢の走りで出来るだけ車のダメージを
最小限度に抑える為に走ろうと思っている矢先にあの大きな石が現れました。
コーナーリング中ではありましたが、
この石に当たればインタークーラーやラジエーターは
もちろんタービンまでもが破損する程の大きなダメージになるので避けて
正解だったと思いました。
しかしまさか落ちるとは思わず止まった瞬間・・・・・
ゆっくりとスローモーションのように一段下の田んぼに吸い込まれるように
落ちました。
幸いにも田んぼの稲刈りも終わり水も張ってなかったので良かったですが、
ここで終わってしまった事に残念でなりません。

その後、後続車でもかなり崩れ落ちた石垣からまだ石が落ちることがありましたが
見ていたギャラリーの方も流石に僕の車の上に亀のように落ちても困ると
思ったのか後続の車が来るまでに片付け始めました。

DSC00496.jpg

何で?!僕の時にも2分も時間があるのに片づけてくれないの?!と思い、
初めてのチャイナラリーだから?!
なぜか無性に洗礼を受けた気分になりました・・・・泣

落ちた車両を点検したら幸いにもタイロットは折れてないし
曲がっても無かったので引き上げればラリーが続けられると思い、
全車通過後に早く引き上げて貰おうと思いました。

0時までにパルクフェルメに入れれば明日の再出走の車検が受けれますので
とりあえず作戦の為に、一旦、そのSSからサービスパークまで引き上げました。

Judasさんが近くに居られるとの事でしたので
スイーパーに降ろして貰いました。
ここはSSのゴールとスタートが同じ場所でグルッと一周みたいな林道です。
ちょうどユウヤ選手のスタート前です!(ジュディーさんポイント!笑)

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レッカーの手配は主催者がしてくれたので僕と奥村の二人で
改めてエボ6で引き上げに行く事に・・・・
夕闇に成りかけるまでに林道の出入り口に着き、大きなレッカーが到着してました。

あの狭い道をあのトラックで入れるのかな?!と
不安もありながら全車通過を待ちました。
7キロのSSの6キロ地点でリタイヤした為に逆走で入った方が早いと思い、
交渉?!しましたが思いは届かず、ここでも言葉の壁が・・・・
多分、中国語ではこんな感じだと思います・・・・
『そんな逆走なんかでこの大きなトラックが入ったら危ない!』と・・・・
『順送で正規通り入って下さい!』と・・・・
仕方なしに6キロの道のりをトラックの運ちゃんの後ろで入る事になりました。
しかし、道のりを進むにつれて・・・・何と・・・・
オフィシャルの車が何台も逆走で来るじゃないですか?!
その度に狭い道での離合を余儀なくされて、止まって走って止まって走っての
繰り返しでした・・・
やっとの思いで半分ぐらい来た所で悪夢が起こりました・・・・

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何とレッドブルスコダの車がコース真中で止まっているでは無いですか?!
あ!それで後半の何台かは走行せずに引き上げてたのが理解できました!

そこでスコダに近寄ってよく見てみるとタイロットが折れて
ドライブシャフトが抜け落ちてるでは無いですか?!
もうすでに6時半ぐらい・・・辺りは真っ暗となっており、狭い道の上に
坂道なのでスコダを交してもエボ6で登りを牽引する事は出来ません。
かと言ってトラックを離合さすには道幅が足りません。
考えた挙句、スコダを後ろ向きに引っ張り横に避ければ
少しは道幅が出来てトラックが横から抜けると思い、
おっちゃんに僕が先に行くのでバックして離合して!と電話で
Judasさんに言って貰いました!
そこでおっちゃんのトラックを交し再びスコダまで戻ってみると
誰も居ません。
仕方なしにスコダのコックピットに座り、何とか横に避けようと
努力しました。
しかし無情にも思ってるとは逆に車が動き、余計に道の真ん中に
スコダが止まってしまいました。
そうこうしてるとスコダの選手や周りの中国人が集まってきて
何か話をしています。
何とか身振り手振りのジェスチャーでスコダを横に避ける事に
成功して、おっちゃんのトラックを再び登らせました!

しかし無情にも登りがキツいのと道が泥濘んでいたので
クラッチが焼けそうな勢いでおっちゃんのトラックが
スコダを抜く事が出来ませんでした。

『ん?!どうすれば・・』と悩んでいると
スコダの選手と周りの中国人が『よいショよいショ』と
何とスコダを道の真ん中には引きずってるでは無いですか?!?!
『おい!おい!何で真ん中にするんや!』
『そんな事したらトラックが離合できひんやないか!!!』と
言ってもぜんぜん通じないままスコダの車は道の真ん中に・・・・
なんと!タイロットとドライブシャフトにスタビリンクなどなど
直しだしたのです・・・・これが悪夢の2時間の始まりでした・・・・
奥村がスコダチームに英語で交渉しても
スコダチームはトップチームでベリークイックリーと
言われるだけでした・・・・
何をするでもなく寒ぶさに耐えながら待つしか出来ませんでした。

ようやくスコダチームも動きだしトラックも目的地の僕のランサーまで
辿りつけました。
おっさんはずっと電話してたぐらい電話ばかりしてましたが
思ってる以上に引き上げは早く、元の道路までランサーが上がりました。
しかし動かそうとしてもランサーは動かず、よく見るとタイロットなどは
確認したので繋がっていましたがフロントロアアームのボールジョイントと
ナックルが外れていて、これが原因でドライブシャフトが抜け落ちてました・・・
愕然としても始らないので直そうと思いましたが、泥水の水たまりの中に
ランサーを置かれて動けないのと車載工具しか無い中での作業は
困難を極めました。
ただ僕らの手持ちでライトとハンマーが無かったけど
そのライトとハンマーはトラックのおっちゃんが持ち合わせて居たので
助かりました。
そこで何とか切りかきを合わせてロアアームとナックルを繋ぐ事が
出来ました。この時夜の9時です。ここらかサービスパークまで
一時間・・・・2時間あれば何とか間に合うかな?!と思い、
よくやく残りの一キロの道のりを下りだしました。

しかし!!!またもや悪夢が・・・・
前を走っていた奥村との間にトラックが居り僕が後ろを走っていました。
そのトラックが事もあろうに下りで滑り出し溝にハマってしまいました。
何回かその様子を伺っていましたが、どうにも這い上がる事が
出来なさそうだったので、電話の電池が乏しい中、奥村におっちゃんには
非常に申し訳ないけど、これを待っていたらタイムアウトになるので
逆から出るわ!と言い、暗闇の中をバックで何とかUターンしました。

その時になんとオイルランプが付きました・・・・
『うぁー』オイルクーラーも逝ったのか?!と・・・・
オイルゲージを確認してもオイルは入っていたが、
懐中電灯など明りが一切ないので車の破損個所が確認出来ません。
しかも奥村ともはぐれてしまったので明りが無いのが一番堪えました・・・

しかし再び悪夢が・・・・
何とタイヤのバーストがしてるのです・・・
しかもオイルランプの件があるのでエンジンを掛けるのは半信半疑でしたし
エンジンを掛けるのを止めました。
ライトが無いのでタイヤ交換は暗闇の中、手探りでしたが
何とかタイヤ交換を済ませ、下の方を見るとおっちゃんのトラックが
溝から脱出して下り掛けていたので『ヤッター!』これで帰れる!!!と
思い、残る一キロを下り出しました!!!

しかし300mほど下り、再び再び悪夢が・・・・
いきなり『バーーーーーン』と言って
右のタイヤが開いて走行不能になったのです・・・・

良く見るとロアアームとナックルを止めてるボルトは付いてるのですが
多分、落ちた時に切りかきがバカになって掛りが浅くなった事で
外れてしまったのです。
その時に正直、再出走を諦めました・・・
時間はすでに10時となり、タイムリミットまで時間がありません。
しかもボルトを強く締めても掛りが浅くなったボールジョイントでは
普通の走行でも危ないと・・・・

しかも真っ暗でライトも無く、この足の開いた場所が
とんでもなく急坂でしたのでパンタジャッキで上げるのも危ないと・・・

諦めかけてると何と一人の犬を連れた老人が暗闇の中から現れました。
しかも一匹の犬の黒ラブを連れています。
ここは耳鳴りがするほど静かな場所で星がめちゃくちゃ奇麗でした。
昼間でも山の上と下で会話が出来るほど静かでしたし、
こんな場所でこんな時間に車が通る事が珍しかったのでしょう・・・・
その老人は中国語で何か話してるのですが解りません。
しかしそっと持っているライトを当ててくれたのです。
ヤッター!これで作業が出来ると!怖々でしたがジャッキで
再び諦めた心を闘志に変えてランサーを上げて作業を開始しました。

切りかきが舐めかけてるので切りかきの無い所を無理やり
ボルトを入れるしか方法はありません・・・
無言のまま老人と二人で作業してると下の方で奥村がトラックのおっちゃんに
お礼を言って別れを告げてきたと言って現場まで上がってきました。

奥村が来た事でエボ6のライトがあるので作業は捗りました!

しかしまた重要な道具が無い事にきずきました・・・・
実は固い固いボールジョイントに無理やり入れるボルトを
叩くハンマーがありません・・・・
さっきはトラックのおっちゃんに借りた事で何とか出来ましたが、
今はハンマーが無いのにしかもさっきより固い所に
ボルトを叩きいれようとしてるし・・・・

そこで思いついたのが石です!!!
正直、その石で最後の力を振り絞り渾身の力でボルトを叩きいれました!!!
坂道でジャッキが扱けようとも構わず叩き入れる事で・・・・
ついに完成したのです!!!

そこからサービスパークまで全開で帰りメカニックと全員で
フルアタックの作業の末、パルクフェルメINの時間が
締め切りの一分前に入る事が出来ました!

はっきり言って奇跡が起きたと思いました。
これもメカニックの努力の賜で感謝感激でした!!!!!
本当にありがとうございました。

No4につづく・・・